<県議会リポート>
平成30年6月25日(一般質問)
1.「子ども」表記について
2.拉致問題の啓発について
3.受動喫煙対策について
4.農水産業の振興について
5.海老川水門の改修について
6.学校における個人情報管理の徹底について
7.警察力の強化について
8.警察学校について
9.その他
※県議会リポートのPDFは「ちば自民党」のウェブサイトにリンクされています。
2018.06.25 : 平成30年6月定例会(第6日目)
◯中村 実君 皆様、こんにちは。自由民主党、船橋市選出、中村実です。本定例会において登壇の機会を与えていただいた会派の先輩、そして同僚各位に感謝いたしております。
初めに、県の文書における漢字の用い方、子供表記について伺います。
県では、それぞれの部局において、条例、規則、通知などの公用文や各種計画などのさまざまな文書やポスター、パンフレットなどの印刷物を作成しています。これらを目にしながら、私、かねがね気になっていることがございます。それは漢字の使い方、特に「子供」という言葉における漢字の用い方についてであります。本来、「子供」という語句は全て漢字を用いて表記するものであります。ところが、「子供」の「子」だけを漢字で表記して、そして「供」は平仮名を使う、いわゆるまぜ書きが散見されます。まぜ書きとする理由として、「子供」の「供」という漢字はお供をするであるとか、従属的な意味で使われたり、また「者ども」などと、複数の集団をさげすんで呼ぶ言い方に使われたりするから、漢字で「供」は使わないというような方もいらっしゃるんですが、そもそも漢字の「供」は当て字でありまして、「子供」として用いる場合には、そのような意味はありません。もちろん法律などの固有名詞の表記を引用して、県の文書でもまぜ書きを行うようなことはあると思います。しかしながら、そうでもない場合にまでまぜ書きを用いるというのはいかがなものなのかなと思っております。県としては、「子供」──この場合の子供は2文字とも漢字です──は当然のことでありますが、ほかの語句につきましても、正しい漢字の用い方に基づいて文書を作成すべきであると考えます。
そこで質問いたします。県の文書における漢字の使用の基準とはどのようなものか。また、その基準をどのように周知しているのか伺います。
次に、拉致問題の啓発について質問いたします。
北朝鮮による日本人拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全を脅かす重大な問題であり、政府も拉致問題を最重要課題と位置づけ、その解決に向けて取り組んでいます。拉致問題の解決のためには、幅広い国民各層の理解と支持が不可欠であり、多くの国民が拉致問題に関心を持ち、事実を正しく認識し、心を1つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが問題解決に向けた力強い後押しになると私は確信しています。
内閣府拉致問題対策本部及び文部科学省では、啓発映像資料活用の周知や北朝鮮人権侵害問題啓発週間、作文コンクールの実施などを通じて、一人でも多くの児童生徒に拉致問題について関心を持ってもらえるよう、学校現場における拉致問題への理解促進や人権教育の推進に取り組んでいるところであります。児童生徒が拉致問題について深く認識し、拉致被害者や拉致被害者家族の現状を知り、悲しみや苦しみにその思いを同じくすることは、人権を尊重する心情や態度を育てていく上でも極めて重要であると考えます。さらに、県民の皆様にも広く、拉致問題について深く理解していただくことが重要です。県では、昨年9月23日に開催した拉致問題の早期解決を願う千葉県民の集いを初め、さまざまな取り組みをしていただいているところでありますが、今年度はどのような取り組みを予定しているのかお尋ねいたします。
そこで伺います。
1つ目として、県民世論に対する啓発について、県はどのように取り組んでいるのか。
2つ目として、拉致問題に関して、県教育委員会としてどのような取り組みをしているのかお伺いいたします。
次に、受動喫煙についてお尋ねいたします。
受動喫煙対策は重要であり、さまざまな取り組みがなされています。東京都のように、独自の条例による規制を目指しているところもあります。たばこを吸う人と吸わない人とがお互いを思いやれる世の中であってほしいと願ってやみません。受動喫煙の対策については、健康被害を防ぐために重要であり、望まない受動喫煙を予防することはあまねく認識されているところであります。対象が地域によって違ってしまうことや、規制を受ける側の意見についても慎重な議論がなされているのかと思いますと、疑問に思うやりとりを見聞きすることが多いです。強制力を伴う条例による規制については十二分な議論が必要であると考えます。オリンピック・パラリンピックが開かれるから対策を急ぐべきだと言う方の言わんとすることの意味はわかります。議論が成熟している論点と、まだ熟してはいない論点を別立てで議論すべきではないかと私は常々考えております。自己の責任において判断し選択できない方、特に子供の健康を守るための対策こそが最も重要であり、急ぐべきことであると考えます。お店などのように、行くか行かないかはみずからの意思、判断の上で選択はできる状況と、公共の空間を通行する機会といった、選択の自由が狭められる場所での対策は極めて重要であると考えます。
そこで質問いたします。受動喫煙に対する県の認識はどうか。また、今後どのように防止策に取り組んでいくのか伺います。
次に、農水産業の振興について伺います。
1点目としまして、地域農産物のブランド化についてであります。
本県は大消費地にありながら、豊かな自然環境を有し、生産性の高い技術や意欲のもと、高品質で多種多様な農林水産物を生産しています。しかしながら、本県農林水産業を取り巻く環境は、ほかの産地との競争激化、生産者の減少、高齢化の進展などによりまして、急激かつ大きく変化をしています。地域の活力を維持していくためにも、農林水産業の振興は欠かすことができません。
一方、それぞれの地域には特色のある農産物など、地元で育まれた貴重な地域資源が多く存在いたします。船橋市では、船橋にんじんが地域団体商標を取得しており、中でもベーターキャロットをとてもおいしくいただいております。ベータカロテンの含有量が多く、甘みが強く、やわらかい食感が特徴でありまして、サラダやジュースなどにするとおいしくいただける逸品であります。このほか、船橋のなしも地域団体商標を取得しています。このような地域資源を改めて見直し、付加価値の創造と知名度向上によりまして、ブランド化を図る地域ぐるみの取り組みが大切であると思います。このブランド化を図るためには、専門的な知識や消費者の求めの的確な把握などが必要でありまして、きめ細やかな支援が重要であると思います。
そこで質問いたします。特色ある地域農産物のブランド化にどう取り組んでいくのか伺います。
農林水産業振興の2点目は、水産物のブランド化についてであります。
本県では、四季を通じて豊富な水産物が水揚げされるとともに、水産加工業も盛んであります。4月には、マリン・エコラベル・ジャパンの認証を受けた事業者が取り扱っているスズキ、三番瀬でたくさんとれるようになってきたホンビノスガイはハマグリに似た味で人気が広まりつつあるなど、すぐれた豊かな水産物が水揚げされています。新聞、テレビの報道を通じて御存じの方も多くいらっしゃるかと思います。水産物についても、農産物と同様に地域の特性を生かしたブランド化の取り組みが必要かと思います。
そこでお尋ねいたします。水産物のブランド化にどのように取り組んでいるのか伺います。
次に、海老川水門の改修について伺います。
船橋市の臨海部は、昭和30年代から始まった埋め立てによる工業用地の造成により発展を遂げてまいりました。この臨海部は、朔望平均満潮位より地盤が低い、いわゆるゼロメートル地帯を含む地域に船橋市役所などの公的施設や商業施設が多く建ち並び、中心市街地を形成しておりまして、高潮や津波から市民の生命や財産を守り、都市及び防災機能を確保するため、海老川水門等の海岸保全施設は重要な役割を担っているところであります。
記憶に新しいところでは、昨年10月、浜金谷港の護岸が倒壊するなど、県内に多くの被害をもたらした台風21号は、館山市布良観測所において、観測史上最高潮位を観測いたしました。海老川水門等の水門及び排水機場の稼働により、大きな被害を防ぐことがこれまでできてきました。しかしながら、昭和40年代に建設された海老川水門は老朽化が著しく、また耐震化も必要であります。昨今の大型化する台風や急速に発達した低気圧の接近による高潮や、また、首都直下地震や南海トラフによる巨大地震に伴う津波が起きる危険性はますます高まっております。
そこで質問いたします。海老川水門の改修について、取り組み状況はいかがか、伺います。
次に、学校における個人情報の管理の徹底について伺います。
昨年度も県内において、校外に持ち出した児童生徒の個人情報が記録されたUSBメモリや児童生徒の名簿の紛失や盗難等の事故が多数報道されています。これまでにも同様な事故は発生しており、学校においては、児童生徒の個人情報の管理は徹底されなければなりません。また、教職員自身のSNS上に児童生徒の写真や作品が無防備に掲載されている例も散見されます。児童生徒の個人情報を扱う学校及び教職員には高いモラルが求められていることを自覚してもらわなければなりません。さらに、教職員には公務員としての守秘義務があり、また、教職員は児童生徒の個人情報を私的に使用することは許されません。教職員に対し、政治的中立性なども含めた服務規律の確保を図っていくことも大切だと考えます。
そこで質問いたします。児童生徒の個人情報を紛失した教職員については、どのような懲戒処分が課せられるか伺います。
続きまして、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた警察力の強化について質問いたします。
東京オリンピック・パラリンピックでは、幕張メッセでレスリングなどの7競技が行われるほか、一宮町の釣ヶ崎海岸では、東京大会の追加5競技の1つであるサーフィンが開催されます。また、このほかにも多くの自治体で事前キャンプの誘致が行われており、千葉県中にオリンピック・パラリンピックの機運が高まっているのを感じております。さらに、報道もされていましたが、聖火リレーが千葉県内で3日間行われることになり、多くの県民がオリンピックの雰囲気に触れることになります。
このように、オリンピック・パラリンピックは多くの県民が参加する一大行事であり、雑踏警備や交通対策、治安対策等に多くの警察官が従事することが予想されます。本県には、我が国の表玄関である成田国際空港があり、多くの選手や観客が来日することになりますので、これらの訪日外国人への対応も必要になってまいります。さらに、近年の国際テロでは空港やコンサート会場、駅等の不特定多数の人が集まる、いわゆるソフトターゲットが狙われており、競技会場や成田国際空港におけるテロ対策にも多くの警察官が必要となります。このようにオリンピック・パラリンピックの開催を控え、治安対策を全うするためには警察力の強化が喫緊の課題であると考えます。
そこで質問いたします。東京オリンピック・パラリンピックを見据えた警察力の強化にどのように取り組むのか伺います。
最後に、警察学校について質問いたします。
先日、新聞記事によりますと、県警では、警察官の志願者数が減っていることへの対応として、警察学校における校則を見直すことでイメージアップを図り、人材確保に努めているといった取り組みを目にいたしました。この記事の中でもあるとおり、就職活動においては、売り手市場が続く中、今どきの若者たちはルールが厳しいといった理由で警察を敬遠するなど、県警における人材確保が課題となっている情勢にありますが、採用した人材を育てる警察学校においては、せっかく採用されたにもかかわらず、志半ばでやめてしまう若者が相当数いるといった現状があると聞いております。ことし1月の千葉県警察年頭視閲で行われた警察学校生の──初任科生という方々でしたでしょうか、集団演技を拝見いたしました。期待と信頼に応えようとの志ある若者の凛とした姿を頼もしく思う一方、志半ばで去ってしまう若者がいるということは重大な損失であると痛感いたしております。
そこで質問いたします。警察学校入校生の退校を防ぎ、有為な人材の確保にどう取り組んでいるのかお尋ねいたします。
以上で私の1回目の質問を終わります。御答弁、よろしくお願いいたします。(拍手)
◯議長(小高伸太君) 中村実君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事森田健作君。
(知事森田健作君登壇)
◯知事(森田健作君) 自民党の中村実議員の御質問にお答えいたします。
農水産業の振興についてお答えいたします。
地域農産物のブランド化の取り組みに関する御質問でございます。品質や栽培方法などに特色のある地域農産物の付加価値を高め、イメージアップを図るためには、地域の主体的なブランド化の取り組みが重要であると考えております。このため県では、専門家を交えたブランド化戦略の策定や加工品の開発、商談会への出展など、生産者団体等が行う取り組みを支援するとともに、バイヤー向けのカタログに商品を掲載するなど、販路拡大につながる取り組みを積極的に行っているところでございます。今後とも生産者団体や市町村と力を合わせ、県産農産物の知名度向上や販売促進を図ってまいります。
水産物のブランド化についての御質問でございますが、消費者に魅力ある県産水産物を広く知っていただき、選ばれるためにはブランド化が有効な手段と考えております。そこで県では、キンメダイやスズキ、ホンビノスガイなど、すぐれた県産水産物28品目を千葉ブランド水産物として認定し、千葉県フェアなどで積極的に紹介するとともに、事業者が行う認定品のPRや新たなブランド化の取り組みを支援しているところでございます。これらの取り組みの結果、平成29年度の県政世論調査では、千葉ブランド水産物を知っているとの回答は49%に達しました。引き続きブランド化を推進することにより、県産水産物の知名度向上や販売促進に取り組んでまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(小高伸太君) 総務部長飯田浩子君。
(説明者飯田浩子君登壇)
◯説明者(飯田浩子君) 私からは子供表記など、漢字使用についての1問にお答えいたします。
県の文書における漢字の使用の基準と、その基準の周知をどのようにしているのかとの御質問です。県の条例、規則、通知などの文書における漢字の使用については、原則として、行政文書規程において常用漢字表によることとされております。しかしながら、文書やポスターなどの一部には、固有名詞の引用や読み手の印象などを考慮して平仮名やまぜ書きが用いられているものもございます。基準の周知についてですが、毎年度、各所属の担当者を対象に文書事務説明会を開催し、テキスト等の全員供覧を依頼しているほか、新規採用職員向けの研修などにおいて行っているところでございます。
以上です。
◯議長(小高伸太君) 総合企画部長今泉光幸君。
(説明者今泉光幸君登壇)
◯説明者(今泉光幸君) 私からは拉致問題の県民に対する啓発についての御質問にお答えします。
北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、決して許すことができない行為であります。全ての被害者が一日も早く帰国できるよう、我が国の総力を挙げて取り組むべき課題であると認識しており、県といたしましても、「県民だより」、新聞、テレビ、ラジオ等の各種媒体を通じた広報や、拉致被害者の御家族の活動などを描いた映画「めぐみ」の上映会などを行い、啓発に努めているところでございます。さらに来年1月には、市川市で北朝鮮における拉致被害者の状況などを描いた舞台劇「めぐみへの誓い─奪還─」の上演を予定しており、中高生に観覧を呼びかけるなど、若い世代を中心に、より多くの県民の皆様に拉致問題についての認識を深めていただきたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 保健医療担当部長岡田就将君。
(説明者岡田就将君登壇)
◯説明者(岡田就将君) 私からは受動喫煙対策についての1問にお答えいたします。
受動喫煙に対する県の認識及び防止策についての御質問でございます。受動喫煙は、健康への悪影響が科学的に明らかになっていることから、特に子供や妊婦の方々などを受動喫煙の害から守ることが重要でございます。このため県では、母子手帳交付時にたばこの害を記しましたリーフレットを配付するなどとともに、飲食店において喫煙環境を店頭表示するよう推奨するなど、受動喫煙防止対策に取り組んでおります。現在、受動喫煙防止対策を強化するための健康増進法改正案が国会で審議されていることから、県としては、その動向を注視しつつ、引き続き受動喫煙防止の重要性について普及啓発を推進してまいります。
以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 県土整備部長野田勝君。
(説明者野田 勝君登壇)
◯説明者(野田 勝君) 私からは海老川水門の改修についての1問にお答えいたします。
海老川水門の改修の取り組み状況についての御質問でございます。海老川の河口に位置する海老川水門は、高潮や津波からの浸水防護のため昭和40年代に建設されましたが、建設から約50年が経過しており、老朽化及び耐震化対策が課題となっております。現施設は年間約180日運転しており、改修に当たっては運用しながらの建てかえとなることや、船舶の航路を確保した上での海上工事となるなど、大規模かつ高度な技術が求められることから、直轄事業としての整備を国に要望しております。県では、早期の直轄事業化に向け、国への重点要望や港湾関係者で組織する千葉県港湾整備促進協議会等を通じた働きかけを行っているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 教育長澤川和宏君。
(説明者澤川和宏君登壇)
◯説明者(澤川和宏君) 私からは拉致問題の啓発についてと教職員の懲戒処分についての計2問についてお答えいたします。
まず、拉致問題に関する県教育委員会の取り組みについての御質問ですが、拉致の問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題であり、人権課題の1つとして児童生徒の理解を深めていくことが必要であると認識しております。このため県教育委員会では、学校の管理職や人権教育担当者の研修会などで、国が作成した映像資料「めぐみ」の活用や拉致問題啓発ポスターの掲示等について周知し、その活用を促しております。また、本年3月に策定した学校人権教育指導資料においても、拉致問題を人権課題として位置づけ、参考資料を活用して児童生徒の指導を行うよう促しております。今後とも国の方針を踏まえつつ、関係部局と連携して拉致問題に関する理解の促進など、学校における人権教育の推進に努めてまいります。
次に、児童生徒の個人情報を紛失した教職員の懲戒処分についての御質問ですが、教職員は職務上、児童生徒の重要な個人情報を取り扱うことが多く、その管理に十分留意する必要があると考えております。このため、私的な外部記録媒体への個人情報の保存や、管理職に許可のない校外への持ち出しの禁止などについて、各県立学校長等に通知しリーフレットも配布するなど、繰り返し指導してまいりました。しかしながら、児童生徒の個人情報の紛失事故が根絶できていないことは教育に対する県民の信頼を揺るがすものであり、重く受けとめております。県教育委員会としては、個人情報の紛失について、懲戒処分の指針に基づき過失の程度を勘案しつつ、厳正に対処しているところです。引き続き、あらゆる機会を捉え、児童生徒の個人情報紛失防止の徹底を図るとともに、教職員の服務規律確保に向けて全力で取り組んでまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 警察本部長永井達也君。
(説明者永井達也君登壇)
◯説明者(永井達也君) 私からは警察力の強化に関する1問と警察学校に関する1問にお答えいたします。
まず、警察力の強化に関しまして、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた警察力の強化にどう取り組むのかとの御質問でありますが、県警では、平成28年8月に千葉県警察2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会対策委員会を設置いたしまして、各種対策を推進するために組織横断的な協議、検討を行ってまいりましたが、本年4月には、警察本部警備部にオリンピック・パラリンピック対策課を設置いたしまして、東京オリンピック・パラリンピックの円滑な運営と安全の確保に万全を期するため、所要の体制を構築したところであります。今後もオリンピック・パラリンピック対策課を中心といたしまして、競技会場等、オリンピック関連施設の警備対策はもとより、公共交通機関や大規模集客施設に対するテロ対策、関係者の輸送や聖火リレー等の交通対策など各種対策を推進するとともに、移動交番車の効果的な運用や繁華街等における防犯カメラの設置等による治安対策、道路標識等の英語表記を進めるなど、県民の皆様はもとより、期間中訪日する外国の方々に安全で安心して大会を楽しんでいただけるよう万全を期してまいります。
次に、警察学校に関し、入校生の退校を防ぎ、有為な人材確保にどのように取り組んでいくかという御質問でありますが、県警では、地域の安全・安心を守り、千葉県の治安を確保していくとの県警の責務を果たしていくため、真に警察官としてふさわしい人材の確保と育成を念頭に、警察学校において、より効果的な指導に継続して取り組む一方、校内規則などの学校運営の見直しを進めているところであります。その過程におきまして、警察学校入校中における携帯電話の使用、髪型、飲酒、外泊先及び服装などに関する従来の校内規則を見直し、学生がみずから考えつつ、警察官としてふさわしい生活のあり方を習得するよう導くとともに、採用した有為な人材が校内規則の内容だけを理由に退職することがないよう努めているところであり、その結果、警察学校における退職者の減少等に一定の成果を上げているところでございます。県警では、今後もより効果的な指導や学校運営に配意しつつ有為な人材の確保に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(小高伸太君) 中村実君。
◯中村 実君 御答弁ありがとうございました。それでは、何点か要望をさせていただきます。
子供表記についてでありますが、県の文書における漢字の使用については、行政文書規程において常用漢字表などによるとのことでありました。この基準によりますと、2文字とも漢字で「子供」と表記すべきものとなります。しかしながら、やはり散見されます。「供」を平仮名で書くこと、表記することが子供に優しいというような、極めて浅薄な薄っぺらい発想によるものではないと信じたいものではあります。県庁には、そういう人はいないと私は信じたいとは思うんですが、ただ、県の文書における漢字の使用は本来の基準により取り扱われるよう、しっかりと周知されますよう要望いたします。
次に、拉致問題の啓発についてでありますが、認識を改めて確認することができました。映画「めぐみ」及びアニメ「めぐみ」は、国から、児童生徒が拉致問題について深く認識し、人権問題として考える契機とするために、学校等における活用促進の依頼がなされています。教育委員会においては、国からの通知に対して各学校でどのような対応を図ったのか、ぜひ確認をしていただければと要望いたします。
続きまして、受動喫煙対策についてであります。東京都議会の第2回定例会本会議最終日はあさってであります。東京都における、条例化によって規制を強化しようとする動きを見ていますと、議論が尽くされないままに採決に至るのではないかと危惧いたしております。本県においては、国の法令化などの状況を踏まえて取り組むようでありますが、受動喫煙防止対策が広く理解を得られるよう、実効性のある対応をお願いいたします。
次に、農水産業の振興についてでありますが、先日の我が会派の代表質問では、農業産出額全国第2位の奪還及び力強い水産業の推進について、県全体で生産者やさまざまな関係団体と力を合わせ、取り組みを進めるとの答弁がありました。私の一般質問では、各地域における特色ある農水産物を全国に発信できるブランドとして支援をしていただきたいとの思いで質問いたしました。生産者の方々、事業者の方々が独自に販路の開拓や情報発信を行うことは難しいかと思います。県においては、このような取り組みへの支援を行い、地域ブランド化を推進されるよう要望いたします。
次に、海老川水門の改修についてであります。御答弁では、高度な技術力が必要なこともあり、直轄事業としての整備を国に要望しているとのことでありました。先月28日に開催された千葉県港湾整備振興大会に出席いたしました。千葉県港湾整備促進協議会として決議された要望、決議のその1には、大規模地震、津波、高潮への対応力強化を図ることとあり、その第1項には、ゼロメートル地帯を抱える船橋地区における海岸保全施設の整備促進のための直轄事業による早期事業化とあります。私も渾身の力を込めて賛成の拍手をいたしました。老朽化が著しい海老川水門の整備は急務であります。引き続き国に直轄事業化を働きかけるようお願いいたします。
また、今回の一般質問では、船橋地区に4つある水門や排水機場のうち、最も大きい海老川水門について取り上げましたが、残る西浦排水機場、栄排水機場、日の出水門につきましても、防災上、非常に重要なものでありますので、適宜改修を進めるよう要望いたします。
次に、学校における個人情報の管理についてでありますが、教職員による児童生徒の個人情報の紛失事故が発生しないよう、事故を起こした職員に対し厳正な対処をお願いしたいと思います。また、学校における政治的中立の確保に向けてしっかりと取り組まれますよう、あわせて要望をいたします。
最後に、警察力の強化についてでありますが、今回の一般質問では、東京オリンピック・パラリンピックを見据えた治安対策の観点から質問いたしました。御答弁では、ことしから専門部署を設置し、体制強化に取り組まれているとのことであり、安堵いたしております。引き続き万全の態勢で取り組んでいただきたいと思います。
警察力の強化につきましては、地域の治安維持といった観点からも要望があります。かねてより要望してまいりました交番の新設についてであります。限られた財政事情や必要な人員確保の面など課題は多いとは思いますが、船橋市内の二子町、日の出、大神宮、そして高野台を初めとする交番設置要望に関しては、地域情勢を総合的に勘案していただき、前向きに検討されるよう要望いたします。
今回取り上げました問題は多岐にわたりましたが、それぞれが私たち一人一人が大事にしたいと考えることや、国、県、市町村を問わず取り組まなければならないこと、また、県が地域と一体となって取り組まなければいけないことであると考えております。執行部には、積極的なさらなる取り組みを期待いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
◯議長(小高伸太君) 暫時休憩いたします。
午前11時35分休憩
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