2017.02.20 : 平成29年2月定例会 予算委員会会議録
◯中村 実委員 船橋市選出、中村実と申します。予算委員会は初登壇ではありますが、何とぞよろしくお願いをいたします。
今回機会を与えてくださいました会派の先輩並びに同僚議員に感謝を申し上げます。
それでは、通告に従いまして質問させていただきます。
まず、北朝鮮による拉致問題について伺います。
北朝鮮による拉致と政府が認定している方々は12件、17名。政府は認定はしていませんが、拉致をされた疑いがある特定失踪者の中には、県内にお住まい、または千葉県とかかわりがある方々がおられます。御家族の帰宅を待ちながら、果たせなかった御家族もおられます。時間がないのであります。拉致問題の解決を政府の最優先課題として、対話と圧力、行動対行動の原則にのっとって取り組むことを改めて求めるものでありますが、国際社会との連携がいかに重要であるか、言うまでもありません。新しいアメリカ大統領の拉致問題に関する認識は、これまでの大統領と比べて期待ができるのではないかと捉える御家族の方々もおられます。10日に行われました日米首脳会談においては、両首脳が北朝鮮による拉致問題解決の重要性を確認し、共同声明に早期解決の重要性との文言が明記されました。一昨日、18日には、特定失踪者の御家族とお友達がトランプ大統領就任後初めて街頭署名活動を行いました。拉致は絶対に許さない、拉致問題の解決なくして国交正常化交渉もあり得ないとのメッセージを発信し続けることは、私たち一人一人にもできることだと思います。拉致問題とは何か、解決を祈ってメッセージを発信する際には、御家族の心情、お気持ちに沿って考えることが全てであると思います。
御家族のお気持ちをどのように受けとめているかを問うことは、拉致問題に関する見解を問うことと同じであると考えます。御家族のお気持ちをどのように受けとめているのかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 遠山総合企画部長。
◯説明者(遠山総合企画部長) 北朝鮮による拉致問題は、決して許すことができない重大な問題です。拉致被害者の御家族も御高齢になっている中、一日も早い帰国を切望する御家族の気持ちをお察しし、政府が最大限の努力を尽くして早急な解決を図らなければならないと考えております。
以上です。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 御家族はいても立ってもいられぬ思いで日々を送っています。そして、道行く方に拉致問題をもっと考えてほしい、知ってほしいとの思いで署名活動を続けておられます。無関心の対極である関心が世論を形づくっていくと信じてであります。
お尋ねいたします。御家族が切実な願いを込めて街頭に立ち、署名活動などをされていることは御存じでしょうか。
◯委員長(西田三十五君) 遠山総合企画部長。
◯説明者(遠山総合企画部長) 救う会千葉の方々が、拉致被害者の一日も早い救出を求めまして、毎月千葉駅等で切実な願いを込めまして署名活動をおやりになっているということで、私どももそのことは存じ上げております。
以上です。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 外交交渉そのものは政府の役割でありますが、拉致問題についての啓発は、法で定められているか否かを問わず、地方公共団体に課せられた重要な役割であると考えます。
そこでお尋ねいたします。県の役割についてどのように考えているのかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 遠山総合企画部長。
◯説明者(遠山総合企画部長) 我が国の総力を挙げまして拉致問題を解決するため、県として、県民一人一人の理解や機運がより一層高まるよう広報啓発活動に努める必要があると考えております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 続いて、啓発事業など今後の取り組みについてどうお考えか、お答え願います。
◯委員長(西田三十五君) 遠山総合企画部長。
◯説明者(遠山総合企画部長) 県では、これまで県民だより、新聞、テレビ、ラジオなど各種媒体を通じまして広報啓発を行うとともに、拉致問題への関心と理解が県内全域に広がるよう、市町村と共催で、拉致被害者の御家族の活動を描きました映画「めぐみ」の上映会を実施しているところでございます。今後とも、各種広報媒体の活用や、映画上映会の開催による広報啓発を行いまして、一日も早い拉致問題の解決に向けまして、世論がより一層高まるよう努めてまいります。
以上です。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律の3条には、地方公共団体は、国と連携を図りつつ、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民世論の啓発を図るよう努めるものとする、とあります。全国の都道府県へは、国、都道府県所在地の市などと共催で拉致問題を考える県民大会などの啓発行事を行い、一日も早く拉致被害者を救出するぞとの世論の喚起に努めています。その効果の大きさはいかばかりかと、私も参加して実感したことがあります。御家族の方々も、県民大会開催の意義と効果がどれだけあるのかについてよく御存じだからこそ、開催を強く希望しておられます。近隣都県での開催は大きく報じられるため、御家族も千葉県では開催しないのだろうかと感じておられますし、県民の方からも指摘をされることがあります。
県民大会の効果は大きく、開催を期待する御家族も多いですが、今後、開催するお考えはあるか、お答えください。
◯委員長(西田三十五君) 遠山総合企画部長。
◯説明者(遠山総合企画部長) 拉致問題の解決に向けまして、県民の機運がより一層高まるように県として取り組むことは大事だと思っております。県でも平成22年度、平成23年度と県民大会を開催いたしましたが、ただいま御指摘のありました点も含めまして、より効果的な啓発活動を今後実施していくことについて検討してまいります。
以上でございます。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 続きまして、朝鮮学校への補助金について伺います。
まず、千葉朝鮮初中級学校に対しての補助金についてでありますが、来年度予算を計上していない理由はなぜか、お答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(風間学事課長) 学事課長の風間でございます。
平成22年12月に千葉朝鮮初中級学校の敷地及び校舎が整理回収機構により仮差し押さえを受けていることが判明しました。この仮差し押さえに係る経緯や事実関係について学校側に再三説明を求めてきたところでありますが、回答がなく、学校法人経営の健全性が疑われる状況であると判断したため、平成23年度以降、予算計上を見送っているところであります。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 予算計上を見送った理由はよくわかりました。しかしながら、仮差し押さえが解除されたり、学校法人経営の健全性の疑いが解消された暁には、予算を計上するという認識と捉えることにもなってしまいます。朝鮮学校は、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総連の影響のもとにあること自体が問題であると思います。つきましては、今回答弁の理由もさることながら、朝鮮総連とのかかわりについても判断の根拠に加えるべきと考えます。朝鮮総連とのかかわりが明らかであるからこそ支出はしないという姿勢をあらわすべきと思います。
また、仮差し押さえに係る経緯や事実関係について、学校側に再三説明を求めてきたものの、回答もなく不誠実きわまりない点からしても、やはり認可の是非を議論すべきと思います。社会的な責任も果たせないこの状態が続くようであれば、認可を取り消すべきと強く要望いたします。
次に、学校教育であります。
通告いたしました質問に関連する事件が判明したのは2月13日と、公立高校入試の初日でありました。本日は各学校で合格発表が行われておりまして、学校の空気が1年で最も緊迫する時期でありました。そのため、事実関係の確認、関係者への事情聴取が進まない以上、本日の質疑は先送りすることといたしまして、本日は要望にとどめたいと思います。
今回の事件の重大性に鑑みまして、同様の事件が二度と起きないよう、関係者の厳正な処分を求めるとともに、再発防止に向けた対策を講じることを強く要望いたします。
次に、男女共同参画について伺います。
まず、男女共同参画をどのように考えているのかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(渡辺男女共同参画課長) 男女共同参画課長の渡辺です。
男女共同参画は、職場や地域、家庭など、あらゆる分野で男女が協力し合って、お互いの能力を十分に発揮し、分け隔てなく活躍できる社会を築いていくことだと考えております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 それでは伺います。性差に起因する区別は男女差別になると考えているのか、お答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(渡辺男女共同参画課長) 男女が互いの身体的性差を理解し合い、相手に対する思いやりを持って生きていくことは、男女共同参画社会の形成に当たっての前提であり、性差に起因する区別は一概に男女差別になるとは言えないと考えております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 真の男女共同参画社会の実現に力を注がれますよう要望いたします。
次に、男女共同参画センターについてでありますが、624万県民にとって優先される施策を優先すべきであると思いますが、男女共同参画センターの実情をどのように考えているのかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(渡辺男女共同参画課長) 男女共同参画センターは、本県の男女共同参画施策の推進拠点であり、女性及び男性の総合相談、講座やセミナー等の開催、資料等の情報収集・提供、県が委嘱した地域推進員を通じた市町村支援などの事業を実施しております。これらの事業を通じて、幅広い世代の多くの県民の皆様にセンターを御利用いただいております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 そのように答弁せざるを得ない事情だけは理解いたします。
続いて質問いたします。センターの1階に設けられている情報コーナーの図書の構成から、センターの考え方を端的にうかがい知ることは可能であると思います。情報コーナーに設置してある書籍はどのような考え方で選んでいるのか、お答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(渡辺男女共同参画課長) センターの情報コーナーでは、幅広く男女共同参画に関する約7,000冊の書籍を保有しており、近年は子育てや介護、ワーク・ライフ・バランス、DVなどの分野を中心に選定し、購入しております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 いわゆる慰安婦に関しての書籍は10冊ありました。その内容は、歴史的な事実とは異なり、利用者は誤った歴史認識を刷り込まれてしまうおそれが強くあります。意見が多岐に分かれるテーマについては両論の併記がされてしかるべきでありますので、選書の際には十二分に注意していただきたいと思います。
続きまして、防災対策について伺います。
隊友会は、自衛隊を退職した方を正会員などとした団体であり、国民と自衛隊とのかけ橋などを目的として、北海道に5つの地方隊友会が、46都府県に県隊友会が置かれ、全国51の県隊友会で組織されています。この隊友会では、防災支援活動として自治体の防災訓練への支援や災害時の情報の収集、提供、支援などの活動も行っているということです。特に、災害時の情報の収集、提供、支援については、県内各地に居住する隊友会員を災害情報連絡員として指定し、災害発生の際に自治体等に必要な被災状況を提供すること、災害時の協定を締結している自治体はもちろん、その他の災害情報を必要とする自治体にも要求があれば提供することなどとされ、隊友会では災害時における自治体の支援について、各自治体と必要な協定を締結する用意があるとのことであります。
県の防災危機管理部には、自衛官OBの職員の方がお力を発揮されていることを私もよく存じ上げておりますが、さらに災害時に備えて隊友会と協定を締結し、自衛官OBの識見と能力を発揮いただくことが心強いのではないかと思います。
そこで伺います。隊友会と協定を締結している他県の状況はどのようになっているのかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(萬谷危機管理課長) 危機管理課長の萬谷です。
平成29年1月現在、24道府県が公益社団法人隊友会と災害時等における協力に関する協定を締結しています。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 多くの道府県で協定が締結されていますので、本県においても、隊友会から打診があった場合には、ぜひ前向きに検討をお願い申し上げます。
続きまして、動物愛護について伺います。
昨年11月に開催された千葉県動物愛護セミナーのテーマは、高齢化社会におけるペットとの共生を考える、高齢者がペットと触れ合うことによる効果について、高齢者福祉の観点で犬や猫との共生を考える趣旨に私も多くのことを教えられました。加齢の問題や生活環境の変化、そして飼い主の万が一について、そして動物の高齢化に伴う飼養環境の変化への対応については問題として議論される機会は多くはなかったのではないかと思います。
一方、御自身または動物の加齢に伴う変化に戸惑う方もふえているように思います。動物愛護の観点では、県として指針を示す段階ではないかと考えます。他県の取り組みを調べているうちにたどり着きましたのが、東京都の環境保健衛生課が昨年発行した「ペットと暮らすシニア世代の方へ」でありました。御自身にはまだ遠いこととお考えの方や、関心が薄い方にこそ啓発の意義があると思います。高齢者福祉の観点と動物愛護行政双方の観点から、この「ペットと暮らすシニア世代の方へ」を作成することの意義についてどう考えるかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(佐藤衛生指導課長) 衛生指導課長の佐藤でございます。
シニア世代が動物を飼うことは、適度な運動の機会や精神的な癒やしが得られるなどのメリットがある一方で、体力の衰えや病気などにより適正に飼い続けることが困難となるケースもあります。そのため、シニア世代が動物を飼う際の心構えなどを啓発するパンフレットの作成は有意義であると考えております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 パンフレットの作成について有意義との御答弁をいただきました。
そこで、千葉県では、同様の取り組みについてどのように考えているのかお答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(佐藤衛生指導課長) 本県においても、動物の適正飼養の推進に向け、シニア世代の飼い主への啓発は重要であると考えており、現在、効果的なパンフレット等の作成について検討を進めているところでございます。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 続きまして、交番設置について伺います。
交番設置要望については、県内各地の地域情勢を比較対照しては、その難しさを知らしめられる思いであります。当地、船橋市は人口が63万人を超え、事件、事故の発生は多く、交番の設置を求める市民要望を多く耳にしております。
そこでお尋ねいたします。今後の船橋市内の交番設置の計画はどうか、お答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(布野地域課長) 地域課長の布野です。
船橋市内の交番新設については、事件、事故の発生状況、管内の人口、世帯数、地域の開発状況などの地域情勢を総合的に勘案して必要性を判断しており、さらに、限られた財政事情や必要な人員の確保などの問題を考慮しますと、直ちに要望に応えることは困難な状況であります。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 厳しい情勢と限られた財政事情、そして必要な人員の確保、難しいことは改めて理解いたしますが、公益性、優先順位が極めて高いからこそ財政当局には求められる対応を強く求めます。そして、警察官の増員に関しては、引き続き国に対して求めていかれるよう要望いたします。
続いて伺います。交番を新設する際の考え方はどうか、お答えください。
◯委員長(西田三十五君) 関係課長。
◯説明者(布野地域課長) 交番の新設については、その地域の事件、事故の発生状況、管内の人口、世帯数、地域の開発状況などの地域情勢を総合的に勘案して必要性を精査しており、必要と判断した場合は、関係部局との協議を進めてまいりたいと考えております。
◯委員長(西田三十五君) 中村委員。
◯中村 実委員 広い千葉県内の地域情勢を総合的に勘案するということは、非常に難しいことであることは理解いたしますが、警察官1人当たりの負担は、船橋東警察署と船橋警察署は県内で1位、2位の負担であり、警察官の方々には心身を休められるときに休めていただきたいことと、増員を願うばかりであります。船橋市内の二子町、日の出、大神宮下を初めとする交番の設置要望に関しては、地域情勢を総合的に勘案していただき、前向きに検討していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
以上です。(拍手)
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