令和6年2月定例県議会 一般質問(令和6年3月4日)


<質問項目>


1.財政状況について

2.水産業の振興について

3.金属スクラップヤード等対策について

4.事業者向け脱炭素化促進事業について

5.道路問題について

6.千葉港における海岸事業について

7.河川等の管理について

8.交通問題について

9.学校教育について

10.年号の表記について

11.多様性条例について

12.公費によるしんぶん赤旗の購読について

<インターネット中継>




<議事録>


令和6年3月4日(月) 中村実予算委員会総括質疑 (速報版 R6.3.10UP)

 

中村:自由民主党船橋選出、中村実でございます。今回、予算委員会の総括質疑の機会をいただきまして、感謝いたしております。それでは質問に入ります。まずは県の財政状況についてです。昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから約10ヶ月が経過しました。経済活動が本格的に再開し、景気は徐々に回復してきていると聞いていますが、近年の物価高騰に賃金の引き上げが追いついていない状況が続いています。消費がさらに落ち込むようなことになれば、県内経済をもとより本県財政への影響も心配されるところであります。そこで、まずは直近の収支状況を確認したいと思います。

 

委員長:熊谷知事

 

知事: 令和5年度は県税収入について雇用状況の改善などにより個人県民税が増となるものの輸入額の減少等により地方消費税が大幅に減となることなどから、全体では減収となる見込みであります。一方国の経済対策などにより、地方交付税や地方譲与税は大幅に増加する見込みとなっています。

さらに歳出では人件費や公債費などについて実績を踏まえて精査をした結果、2月補正段階では収支が330億円改善したことから、今年度の財源を確保するために、令和5年度における財政調整基金の取り崩し額を500億円から170億円に減額することといたしました。

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

令和5年度の収支は改善する見通しとのことですが現在は減収する見込みであるなど、まだまだ楽観できる状況にないと考えます。このような状況の中、令和6年度においては、所得税と住民税の定額減税が実施されることとなっています。

国からの補填があるとは聞いていますが、一般財源の動向がどうなっていくのか気になるところです。そこで伺います。定額減税による減収が見込まれますが、令和6年度当初予算における一般財源全体はどのようになっているのか。

 

委員長:総務部長

 

総務部長:令和6年度において定額減税の実施により県税収入の減が見込まれますが、この減資分については、国の地方特例交付金により全額が補填されることとなっています。定額減税の影響を除くと、県税収入は、雇用状況の改善などにより、約56億円の増を見込んでおります。

この他地方譲与税について企業業績の堅調な推移等により、特別法人事業譲与税が57億円の増となることなどから、一般財源全体では約99億円の増額となる見込みです。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい、国からの補填もあり、一般財源全体では約99億円もの増額になるとのことであります。

しかしながらこれだけ歳入における一般財源が増えるにもかかわらず、当初予算において、収支不足を解消するために取り崩す財政調整基金の額は、令和5年度の 500億円に対し、6年度は460億円とさほど変わっておりません。

そこで伺います。一般財源が増えるにも関わらず、昨年度と同規模の収支不足が生じているのはなぜか。

 

委員長:総務部長

 

総務部長:歳入において、一般財源が増となる一方で歳出においては令和6年度が段階的な定年年齢引き上げにより、定年退職者が増加する年度に当たることなどから、人件費が増加すること、また高齢化の進展等により、社会保障費の増加が続くこと、などから義務的経費の大幅な増加を見込んでいます。この結果、令和6年度当初予算においては、引き続き昨年度と同程度の財源不足が生じているところです。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

義務的経費の増加はやむを得ない部分もありますが、令和6年度当初予算では、昨年度に引き続き、多くの新規事業が計上されており今年度の負担が大きくなっていくことが考えられます。知事が就任されてから、財政調整基金の残高は着実に減少していることから、今後の財政運営の影響が懸念されます。そこで伺います。財政調整基金の残高について県の認識はどうか。

 

委員長:熊谷知事

 

知事:令和6年度末の財政調整基金の残高は約357億円となる見込みであり、当初予算編成段階における直近5年間の平均残高が約280億円であることを踏まえると、現時点においても一定の残高を確保しているというふうに考えています。

しかしながら今後も高齢化の進展などによる社会保障費の増加に加え、物価高騰により様々な経費が増加する中、県有施設の長寿命化対策を計画的に進めていく必要があるなど多額の財政需要が見込まれております。そのため県税の徴収対策強化などの歳入確保にしっかり取り組むとともに、執行段階での経費節減を徹底することなどにより、収支の改善に努め基金の取り崩し額を縮小していきたいというふうに考えております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

近年多発する災害への対応や、急激な景気変動により収支が悪化した場合に備え、財政調整基金の残高を確保しておくことは重要と考えます。令和6年度当初予算では、多くの新規事業が計上されていますが、今年度の負担にも配慮しながら、安定的な財政運営を行っていただくよう要望いたします。

次に水産業の振興について伺います。私の地元の名物であるホンビノス貝は、外来種であり、増殖させることができないことは承知しておりますが、一方で、東京湾北部の貝類漁業者にとって重要な水産資源となっているのも事実です。

残念ながら近年では、ホンビノス貝の漁獲量が減少していることから、昨年12月議会で質問したところ、令和元年から県がホンビノス貝の資源状況や生態等を調査し、東京湾における成長や産卵期などを把握することができたとの答弁がありました。ホンビノス貝に関する基礎的な情報を蓄積することにより、漁獲量が減少した原因についても把握できたのではないかと思います。

そこで伺います。ホンビノス貝の漁獲量の減少について、県はどのように原因を分析しているのか。

 

委員長:農林水産部長。

 

農林水産部長:ホンビノス貝の漁獲量の減少については、令和元年の房総半島台風による河川からの土砂流出や、令和3年の長期に渡る青潮の発生、漁業者の増加など、複合的な要因によるものと考えられます。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

また、12月議会では、関係業者とともにホンビノス貝有効利用の方法を検討しているとの答弁がありました。海苔やアサリなど、船橋近海の漁獲量が減っていく中、ホンビノス貝の有効利用の検討は、地元漁業者にとって大変期待されている対策であります。そこで伺います。ホンビノス貝の有効利用に向けた現在の検討状況はどうか。

 

委員長:農林水産部長。

 

農林水産部長:県では昨年12月から関係漁業者とともに、ホンビノス貝を有効利用する方法について検討を進めており、漁業者からは、創業の時間や場所の制限について意見が出されています。県といたしましては引き続き県漁連や関係市とも連携しながら、漁業者の取り組みが効果的なものになるよう、技術的な助言を行ってまいります

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長。

 

中村:はい。ホンビノス貝を将来にわたって有効に利用していくため、関係漁業者の方々とも一緒に知恵を絞って対策を進めていただくよう要望いたします。

続いて3番目における牡蠣養殖試験について伺います。

私は三番瀬で、船橋漁協による描き養殖試験が始まった令和412月から試験が成功するよう、見守ってまいりました。

カキが目をこらさないと見えない大きさから、ある程度の大きさとなり、このまま成長していくことを期待しておりましたが、養殖かごの落下や夏場の青潮などの影響を受けてカキの個体数が減ってしまったとの報告を受け、大変残念に思ったところであります。昨年10月から改めて試験が開始されており、今度こそ無事に成長してほしいと見守っているところであります。そこで伺います。船橋漁協による三番瀬のカキ養殖試験について、現状はどうか。

 

委員長:農林水産部長。

 

農林水産部長:昨年10月に開始された2回目の試験は、前回とほぼ同数の2,500個の種苗を複数の養殖かごに異なる密度で終了し、生育状況の違いの検証などを行うこととしております。現時点では全体的に成長がやや遅れているものの、9割以上が生き残っているところでございます。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

今季の試験では、ほとんどのカキ種苗が残っていると伺い、安心いたしました。今後も試験が順調に推移し、安定した漁獲量が確保できるようになった後には新富津漁業協同組合の江戸前オイスターのように地域ブランド化された産物に大きく育っていくことを願っております。

そこで伺います。このカキ養殖試験に対し、県はどのように支援しているのか。

 

委員長:農林水産部長。

 

農林水産部長:県では成長を促進するため養殖かごの位置を調整して、餌となるプランクトンをより多く取り込ませることや、かごの落下防止対策などの助言を行っています。また既に事業化されている他地区の事例から三番瀬においても活用が見込まれる技術について、積極的に情報提供するなど支援しているところでございます。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

 東京湾の貝類漁業が低迷する中、カキ養殖は漁業者の新たな収入源として期待されますので、引き続き県の支援をお願いいたします。

 

次に、金属スクラップヤード等対策について伺います。県民の安全を脅かす恐れのある金属スクラップヤード等を規制する条例が令和64月からいよいよ施行されます。

この条例では、既存事業者にも許可取得を求め、条例の規定への適合に必要な期間を1年間設けていますが、県内には既存の金属スクラップヤードが500ヶ所以上あるとのことです。条例施行が間近となっていますが全ての既存事業者が条例施行後に許可申請してくるのか気になるところであります。

そこで伺います。条例施行後1年間の経過期間があるがどのように既存事業者を指導していくのか。

 

委員長:熊谷知事

 

知事: 条例が施行されるまでに、ヤードとして把握をしている全ての事業場を訪問して、遵守すべき基準などを条例の規制内容と、1年間の経過期間内に許可申請する必要があることを周知をしてまいります。条例施行後は申請に係る相談等の有無に関わらず、事業者に対して、条例の規制内容を遵守するよう必要な指導等も行って参ります。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

県が丁寧に周知や指導を行っても許可申請をしない者が多数現れではないかと危惧しております。県民の安全を確保するためにも、そのようなものへの対応が重要と考えます。そこで伺います。相談も許可申請もしない既存事業者に対しては、どのように対応するのか。

 

委員長:環境生活部長。

 

環境生活部長:許可申請をしない事業者に対しては、順次、条例に基づく立ち入り検査を実施し、火災発生防止のための措置や、汚水の管理状況などを確認し、是正指導等を行うとともに、経過期間内に許可申請をするよう重ねて指導してまいります。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

県の対応状況はわかりました。今後、条例が円滑に運用され、県民生活の安全などを確保できるよう、宿事業者に対し厳正に指導するよう要望いたします。

 

次に、事業者向け脱炭素化促進事業について伺います。

県では、昨年度末にカーボンニュートラル推進方針を作成するとともに、新たな温室効果ガス排出量の削減目標を掲げた千葉県地球温暖化対策実行計画を改定しました。本県の直近の温室効果ガスの削減状況を見てみますと、平成25年度から令和元年度までの6年間で19.1%削減されているとのことで、順調に削減が進められていると思います。しかしながら、昨年ドバイで開催されたCOP28では、世界の平均気温上昇を1.5度に抑えるためには、再生可能エネルギーや省エネに向けた取り組みをさらに加速させる必要があることが示されました。

県としても、これまで以上に地球温暖化対策を進めていく必要があります。

先月、会派の代表質問の中で、中小企業者向けの脱炭素化に関する支援を充実した旨の答弁がありました。私自身も、中小企業者の方から脱炭素の取り組みについて相談を受けることがありますので、そうした点を少し掘り下げて伺っていきます。

まずは、今年度から開始した業務用設備等、脱炭素化促進事業についてです。この事業は、中小事業者がLED照明などの省エネ設備を導入する際に補助するもので、令和4年度に国の交付金を活用して実施したところ、大変好評であり、令和5年度からは省エネ診断により、年間3t以上のCO2削減効果の見込める設備に対して、県単独で補助を実施している事業です。来年度当初予算ベースでは、5億円から10億円と倍増して実施しようとしていますし、今年度の9月補正予算でも増額していましたので、多くの申請があったのではないかと思います。

そこで伺います。

今年度の主な申請内容と、CO2削減効果の見通しはどうか。

 

委員長:環境生活部長。

 

環境生活部長: 今年度は約200事業者から約9億円の申請があり、その主な内容は、高効率空調設備への更新が105件で約41000万円。LED照明への交換が87件で約23000万円などとなっています。これらの設備更新に伴うCO2削減効果としては、年間で約2200tを見込んでいます。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

今後、中小企業者にとっては、電気代等の節約など、コスト削減にもつながり、経営にも資する大変重要な事業だと思います。来年度予算は今年度の実績を踏まえて、きちんと確保できていることがわかりました。県として確保すべき必要な予算だと思いますので、もし予算額が不足する場合には、補正予算など柔軟な対応をお願いいたします。次に、中小企業者等向け脱炭素化の伴走型相談支援事業に関連して伺います。企業の脱炭素化への取り組みについては、大企業はSDGsの観点から、またサプライチェーンの中でも求められるため、どの企業も前向きに進めようとしています。

しかしながら今後は、中小企業者にとってもサプライチェーンの中で脱炭素の取り組みが求められてくることが想定されます。中小企業者にとっては必要性は感じつつも、どういった取り組みをしたらいいのか、それによってどういった効果があるのかわからないといったような声も聞かれるところであり、もう少し基本的な普及啓発が必要ではないかと思います。

そうした中、来年度は、伴走型での相談支援事業を開始し、その中で、取り組みのアドバイスや、エネルギーコスト削減の提案、各種補助金の案内を対面や訪問により実施するとのことで、こうした取り組みはまさに許可するところであります。そしてこの事業の中で、中小企業者向けのセミナーを開催することとしております。今年度の事業者向けのセミナーは2回ほどの開催でしたが、来年度はさらに拡充して開催する方向で検討していると聞いています。

そこで伺います。中小企業者向けのセミナーを充実するとのことだが、具体的にどのようなテーマを想定し、実証としているのか。

 

委員長:環境生活部長。

 

環境生活部長:太陽光発電設備などの再生可能エネルギーやLEDなどの省エネ設備の導入による効果各種支援制度の紹介の他、例えば建築事業者向けのネットゼロエネルギーハウス等の促進、社会福祉法人や医療法人向けのエネルギーマネジメントの取り組み、電気自動車の導入促進など、様々な業界に適した脱炭素化に資するテーマを幅広く取り上げながら、普及啓発していきたいと考えています。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

中小企業者の脱炭素化には、LEDや高効率空調というのはどの業種にも必要とされるところですが、業種別に見れば、例えば製造業では、製造機器や冷蔵冷凍施設をどうしたらいいのか、老人ホームなどの社会福祉事業や病院などの医療事業などは、夜間も空調を稼働させる必要があるなど、効果を発揮できる取り組みも様々で、それぞれに合った脱炭素の取り組みを支援していく必要があります。それらの事業者に合ったテーマを幅広く取り上げていただき、県内の脱炭素化を一層促進していただきたいと思います。

 

次に、地元の道路問題について伺います。まずは国道14号船橋宮本地先における道路整備についてです。国道14号は東京から船橋市を経由し、千葉市まで至る主要な幹線道路でありまた、京成船橋競馬場駅付近には、大型商業施設が立地していることから、自動車や歩行者の交通量が大変多い状況です。また、船橋市宮本地先の交差点はこの前後でセンターラインが曲がっているなど、車の運転手は交差点通過時に注意を要する箇所であります。さらに、事故も多く、交通安全上課題のある子育てとなっています。

このような背景から、県において、交差点改良と歩道整備を進められているようでありますが、最近は専用車による工事が行われているなど、徐々に事業が動き出しているように感じていることから、改めて事業の進捗を伺いたいと思います。

そこで伺います。

国道14号船橋市宮本地先の交差点改良の進捗状況はどうか。

 

委員長:県土整備部長。

 

県土整備部長:当該交差点は安全で円滑な交通と歩行者の安全を確保するため、延長670mの区間で両側歩道の整備と、交差点改良を進めており、これまでに延べ270mの歩道整備が完了しています。現在船橋市宮本交差点から船橋競馬場駅までの260m区間の整備を優先して進めることとしており、先月、地元説明会を開催し、事業の効果や今後の事業の進め方等について住民にご理解とご協力を求めたところです。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

この交差点はIKEAやららぽーとに向かう場所で、船橋市の中でも、交通量が非常に多いところであります。さらにここは近隣小学校の通学路にも指定されていて、児童生徒の安全な通学路を確保するためにも、この事業の意味合いは、非常に重要であります。2月先月の説明会に私も出席をいたしましたが、多くの方から寄せられるご意見はやはり、この交差点改良の工事を速やかに進めていただくことでありました。この交差点改良工事を速やかに進めることを強く要望いたします。

 

次に、県道千葉鎌ヶ谷松戸線の船橋市咲が丘付近の歩道改修について伺います。

これまでも登壇の機会があるたびに、取り上げております。県道千葉鎌ヶ谷松戸線のうち、船橋市咲が丘地先は、新京成の二和向台駅に近く、また、住宅や店舗が密集していることから、通勤や買い物などで、歩行者の多い地域であるものの、歩道内に設置された側溝蓋が老朽のため、ガタツキが生じており、歩きづらい状況でありました。このため、県当局では、平成30年度から歩道の改修工事を進めており地元からも改修された箇所は非常に歩きやすくなっていると喜びの声を耳にしています。令和56月議会の答弁によれば、今年度は残る区間を実施予定とのことで、完了間近であるものと思われますが、改めて進捗を伺いたいと思います。県道千葉鎌ヶ谷松戸線船橋市咲が丘地先の歩道改修の進捗状況はどうか。

 

委員長:県土整備部長。

 

県土整備部長:当該路線では、歩道内に設置された側溝蓋の老朽化により段差が生じていることから、二和向台駅入口交差点付近1km区間の北側歩道において、側溝の暗渠化による段差の解消を進めており、今年度内の完了に向けて残る80mの整備を進めているところです。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。ご答弁ありがとうございました。地元の方々が強く期待していた歩道改修が完了間近と確認できて安心いたしました。歩道整備の推進に尽力されている職員の皆様に心より感謝いたしております。今後も地域の方々にとって、安心安全な環境作りに資する歩道整備を進めていただくようお願いいたします。

 

次に、千葉港における海岸事業について伺います。昨年6月の定例県議会においても伺ったところでありますが、私の地元であります、船橋の海岸沿いには、高潮等から防護するための護岸や水門排水機場の海岸保全施設が整備されており、その多くは昭和40年代に築造されたことから、老朽化および耐震化対策を早急に進める必要があります。

このような中、海老川水も含む日の出地先から浜町地先の約2km区間は、令和4年度に国の直轄事業として着手され、先月港湾整備振興推進議員連盟で現地を視察してまいりましたが、本格的に工事が実施されておりました。現在国と県が実施している事業の状況が気になるところであります。

そこで伺います。船橋地区の進捗状況はどうか。

 

委員長: 県土整備部長。

 

県土整備部長:背後地に0m地帯を抱える千葉港海岸船橋地区の海岸保全施設は、早期整備を図るため、国と県により事業を実施しているところです。現在国では、日の出胸壁0.1km区間の嵩上げを進めており、県では、栄水門の取付護岸の耐震化や、西浦排水機上の自家発電設備の更新を行っているところです。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

 0m地帯を抱える千葉港海岸船橋地区は背後に人口密集地を抱え、重要な公的施設・主要交通施設が数多く立地しており、高潮による被害を受けた場合には、社会経済活動に甚大な影響が生じる恐れがあります。そのため、直轄事業の促進と、県事業の継続、この二つが両輪となり、船橋地区の海岸事業が着実に進むことが、大変重要であり、1日も早い完成が望まれるところであります。そこで伺います。船橋地区では、来年度どう取り組んでいくのか。

 

委員長:県土整備部長

 

県土整備部長:国では引き続き、日の出胸壁の嵩上げ工事を進めるとともに、新たに日の出護岸のかさ上げ工事に着手すると聞いております。県では、栄水門の取付護岸の耐震化や栄排水機場の自家発電設備、西浦排水機場のポンプ用エンジンの更新に着手してまいります。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

海老川水門を含んだ直轄海岸保全施設整備事業については、この後方に0メーター地帯が広がり、県にとっても重要な国道14号などの道路があります。これらのエリアを守るためにも、計画的に整備を進めていただくよう要望いたします。

 

次に、河川等の管理について伺います。船橋の海老川上流地区では、現在、組合施行の土地区画整理事業が進められています。この件については、6月議会でも伺いましたが、県からは、海老川上流地区で進められている土地区画整理事業に合わせて、まち作りが完了する見込みの令和16年頃までには河道掘削および調整池の暫定掘削が実施できる見込みであるとの答弁がありました。39の機能を担う船橋市立医療センターの移転も予定されていることから、速やかに事業に着手していただきたいところであります。

特に海老川の河道掘削については、令和6年度の着手に向けて、関係機関との協議等を実施しているという答弁もありましたので、令和6年度に着手できるかどうか、現在の状況が大変気になるところであります。そこで伺います。海老川河道掘削の現状はどうか。

 

委員長:県土整備部長。

 

県土整備部長:海老川については、河口から長津川合流点までの区間で、河道掘削を実施することとしております。現在、工事着手に向けて発注準備を進めているところであり、来年度は国道14号の船橋橋下流付近において流動部分の掘削を行う予定です。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

令和6年度の着手に向けて準備が進んでいることが確認できました。ありがとうございます。引き続き、河道掘削だけでなく、調整池の掘削についても進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。

次に、交通問題について伺います。公共交通機関は誰もが利用できる移動手段として、毎日多くの人が通勤通学や買い物・病院への通院など、様々な目的で利用しています。

特にバスやタクシーといった地域公共交通は地域に根付いた移動手段であり、路線バスについては、移動の鉄道の駅から離れた地域の方々にとっては、日々の生活で欠かすことのできない移動手段となっており、タクシーについても自分で車を運転することが難しく、足腰の弱い高齢者にとっては、ドアツードアで移動できるタクシーは、1人で移動するために欠かすことのできない存在です。

一方、こうした地域公共交通については、人口減少の進展と少子高齢化による学生数の減少や、自家用車利用の普及に伴い、地方を中心に利用者が減少傾向にあり、燃料費の増加もあって、厳しい経営環境にあります。

加えて昨今は、運転手不足などを背景として、地域によっては既存のバス路線が廃止、減便されるなど、地域公共交通の維持確保が喫緊の課題となっています。

こうした中、各市町村では、地域住民の生活に必要な広域路線バスを維持するため、民間バス路線の赤字補助の他、バス路線の再編や撤退後のコミュニティバス、デマンドタクシーの運行など、地域にの実情に応じた様々な取り組みが進められています。この点、県においても、広域の交通網の活性化に取り組む市町村への支援として、持続可能な地域公共交通の確保支援事業が実施されており、令和6年度予算においては、昨年度の900万円から1200万円に増額されるようであります。そこで伺います。持続可能な地域公共交通の確保支援事業を増額した理由は何か。

 

委員長:総合企画部長

 

総合企画部長:本事業は市町村が実施する、広域的な地域公共交通の活性化を目的とした実態調査や実証運行に対し補助するものであり、市町村への要望調査を行った結果、令和6年度は要望団体の数が増えたことから、300万円を増額しております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。市町村の要望が増えているとの答弁ですが、これは見直しや再編に取り組む市町村の要請が高まっていることの表れだと考えます。市町村が取り組みを進める上では、少なからず市町村の費用負担が伴いますので、県もこの補助事業を活用して、市町村を支えていってほしいと思います。

他方予算の増額は、市町村の取り組み支援という意味では大変喜ばしい。喜ばしいことではありますが、県税を投入する上では、事業の実施効果をしっかりと見極めていく必要もあると考えます。そこで伺います。本事業についてどのような効果を見込んでいるのか。

 

委員長:総合企画部長

 

総合企画部長:市町村がバスの利用実態の調査などを行うことにより、利用実態に基づいた運行の効率化効率化や路線の再編等の検討が可能となり、結果として、地域に必要な公共交通の維持確保が図られることが期待されております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

市町村が実際にコミュニティバスやデマンドタクシーなどを運行する際には、乗降調査やニーズ調査などを事前にしっかりと準備を行うことが必要と考えます。県としても、引き続きこうした実態調査や実証運行へ支援いただき、地域の公共交通の維持確保に向けた市町村の取り組みを後押ししていただきたいと思います。

次に交通問題の2点目といたしまして、デジタル技術活用の観点から、移動手段の確保について伺います。先ほども申し上げましたように、公共交通を取り巻く現状は厳しさを増しており、それに伴い、地域の移動手段の確保が課題となっています。そのことは何も、人口減少の進む地方の自治体に限った問題ではありません。

私の地元船橋市でも、北東部の鉄道駅およびバス停から遠い地区で、いわゆる交通不便地域が残っています。こうした地域では、住民の高齢化や少子化に伴い、公共交通の需要が縮小し公共交通の維持が困難となっているのが現状です。

こうした課題に対応するため、近年いくつかの自治体では、民間企業とも連携して、デジタル技術を活用した、いわゆる新モビリティサービスの導入に向けた取り組みを進めております。交通弱者対策として新モビリティサービスに課題解決への活路を見出すことは非常に有効であると考えます。

そうした中、県では令和4年度から、デジタル先端技術を活用した公共交通サービスである新モビリティサービス導入推進事業を実施していると思います。

そこで伺います。

新モビリティサービス導入推進事業について、事業実施の狙いはどうか。

 

委員長:総合企画部長

 

総合企画部長:近年は人口減少などを背景とする利用者の減により、バス路線の維持確保が難しくなっており、地域の移動手段の確保が課題となっております。このため県では、令和4年度から地域において、新たな公共交通サービスの導入検討を進める市町村等が、デジタルなどの先進技術を活用し、本格導入に向けた実証実験や実態調査を行うことに対し、費用の一部を補助する本事業を実施しております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

導入検討を進める市町村などに対する支援という答弁でありましたが、確かに新たな技術を活用したサービスということですと、いきなり本格導入するにはハードルが高く、市町村でもどう進めたらよいか試行錯誤を重ねている状況と思います。

私としても県のこの事業を活用することで、市町村等において具体的な検討が進むことを望むものであります。

そこで伺います。本事業についてどのような効果を見込んでいるのか。

 

委員長:総合企画部長

 

総合企画部長:市町村等がデジタル技術などを活用した新たな公共交通サービスを本格導入するためには多額の費用を要します。このため、本事業により調査や実証運行を行うことで、本格導入に先立ち、課題やメリットを明らかにすることができると考えております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

新モビリティサービスの導入は、交通弱者対策に対し有効な手段と期待されるため、本事業の活用により、市町村等の取り組みをしっかりと支援いただきたいと思います。

最初にも話しましたが公共交通機関は日々の生活に密接に変わっており、その分、地域の人々の関心も高く、事業者や行政に対する期待も大きいと思います。簡単に解決することが難しい問題もありますが、県としても、市町村や事業者と連携して交通問題にしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 

続きまして、学校教育について伺います。

今後、十二分に議論を深めていかなければならない内容でありますので、本日はまず導入部分についてのみ質疑を行うます。

このところの議会での議論、社会的な議論を耳にしては憂慮にたえない内容について、端的に見解を伺います。

自由と放縦の違いを児童生徒にどのようなどのように教えるのか、

 

委員長:教育長

 

教育長:学校教育においては、子供たちが自由と自分勝手との違いや、自由に伴う自己責任の大きさについて理解できるようにすることが、重要です。そのため例えば小学校の道徳では、乳児や老人など、様々な人が集まる公園で、みんなが気持ちよく使うにはどうしたらよいか考えさせる教材などを用いて授業を行っております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

続いて伺います。この11日に施行されました。多様性条例によりまして、放縦が助長されると私は考えますが、見解はどうか。

 

委員長:教育長

 

教育長:条例には11人が違いのある個人として尊重され、の文言とともに互いの立場を尊重し合い、とあります。条例の目指す社会をつくるためにも、学校生活の様々な場面において子供たちに自由と放縦を誤解してはならないことを自覚させ、自らを律し、責任ある行動が取れるような指導の充実を図ってまいります。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

引き続きよろしくお願いいたします。続きましてですね、権利の主体として保護を要するものとしないものとには、権利区別があるべきと考えますが、ご見解はいかがでしょうか?

 

委員長:教育長。

 

教育長:保護を要するものと要しないものとは、権利の主体としては基本的に同じですが、例えば、発達段階を考慮し、内容により適切な判断が可能であるか、などの理由から、制限される場合があると認識しております。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

ご答弁ありがとうございます。引き続き、児童生徒の健全な育成のためにお力を発揮いただきますよう、よろしくお願いいたします。そしてまた、この議論はちょっと時間がありませんので、また今後追々議論を深めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでですね、年号の表記についておよび多様性条例についてでありますが、今回は時間の都合で、次回以降の質問といたしますが、今後も注視してまいりますので、よろしくお願いいたします。

続きまして、公費による新聞赤旗購読について質問いたします。

新聞赤旗の令和5年度の公費による購読の実績と、令和6年度の固定購読予定部数はどうか。

 

委員長:総務部長。

 

総務部長:各所属では県政を推進する上で様々な機会や方法を通じて必要な情報収集を行っているところです。今回議会事務局からの調査依頼に基づき知事部局および教育長の本庁各課並びに議会事務局における新聞赤旗の購読部数を調査したところ、

令和5年度の購読部数は、令和621日時点で28部であり令和6年度に購読を予定している部数は24部でした。

 

中村:委員長

 

委員長:中村副委員長

 

中村:はい。

ご答弁ありがとうございました。

ですね今思い返すところ、平成30年の1017日の決算委員会が、私、この問題を初めて提起した日でありました。非常に由々しき問題と思いまして、特に行政の中立性・公平性の観点で、そしてまた、公費税金の使い道という意味合いで、県民の方々の理解を得られるものであるか否かにつきまして、私はかねてより、疑問を覚えておりました。

そしてですね、私これは市議会議員当時なんですが、船橋市役所におきましても、管理職の方々に対して、赤旗を個別に購読しているのか否か、なぜ購読しているか否かについて聞いて歩いたことがあります。その中で、なるほどそういうことなんだと。

同じようなことが県庁でも起きているのではないかと常に危惧をしてきたところであります。状況の改善を求めて問題を提起した平成301017日の決算委員会から5年半もの年月が経とうとしております。当時の部数は実に120部であります。

尋常ではない数値でありますし、まさに新聞報道等によりまして、千葉県のこの実態といったものが大きく報道されまして、非常にこれは、由々しき問題であるということを多くの県庁職員の皆さんも感じて思いをともにしてたと思いますし、議会の中からもそういう現実があるのかということですね、

大いに危惧する面が起こったところであります。かつての平成30年当時、今から5年半もの前です。これの時間というのを経過はですね、非常に短い期間だと思います。5年という期間というものはあっという間に経とうとしておりますが、当時の購読の部数が120部だということを、これは議会の中でも、その情報を共有できた人、意外と少なかったんですね。こういう事実が起きているんだということをそれを、例えばそれぞれ皆さん選挙区から選ばれてきてます。地方公共団体についても同じようなことが起きてるんじゃないかと。もしそういうことがあったら、その改善を求めるように仲間たちに働きかけをしようじゃないかと、ずいぶん私も声を掛けたものであります。

まだあのときは、私も今、おかげさまにて3期目を務めておりますが、当時は1期生でありましたが、この当時を振り返りながら思いますと、来年度は24部。本年度が28部でありまして、4部減って24部の予定と伺いました。実に数字で言えば、5分の1、そして8割減の減少となるわけであります。

これまでの一般質問、そして昨年の予算委員会、そしてこの予算委員会、この場におきまして私も、ちょうど1年前になりますが、「この問題、来年また同じ質問しますからね」と申し上げました。そのことについてですね、様々なご指摘をいただきました。

果たして、千葉県庁、どの程度動くのかと、それは28から24部この部数といったものの、ぜひといったものにつきましては、私も今後また追々問題提起をしていきたいと思いますが、これまでの一般質問、そして昨年の予算委員会この場で問題を提起してきた、その思いは、募るばかりであります。

県民の方々の理解が得られるよう、引き続いての検討を強く要望いたします。

それでですね、先ほど申し上げました船橋市の管理職の方々が、赤旗を購読していたその理由につきまして、その理由についてですね、非常にこれですね、同じことが例えば千葉市でも起きている。そして千葉県でも起きている可能性というものは、私は十分あると思うそしてですね、もちろん公費の問題、公費の問題は行政の中立性、公平性の観点で非常に由々しき問題です。

そして税金の使い方という意味では非常に重大な問題でありますが、自費で購入している職員の方方もおられると思います。本人の意に反して、購読をせざるを得ない状況にあるということがあれば、これは非常に重大な問題であります。こういった実態はよく報道で耳にします。全国各地でのニュースこれは枚挙にいとまがありません。

公務員は、公共の利益のために、常に公平中立な立場での事務の執行が求められます。このことの自覚を改めて強く求めまして、今回の予算委員会総括質疑を終わります。以上です。